2010-03-02

捕鯨論争

角川書店の『書斎の窓』(2010.3)で中村生雄さんが「捕鯨論争を”日本文化”の問題として考えることの是非」と題して、捕鯨問題の「問題性」について、指摘している。

中村さんの述べていることを一言にまとめてしまえば、このようなことだろう。すなわち、捕鯨は日本文化であるとは必ずしもいえず、むしろ、問題を「伝統」や「文化」の問題であると把握する「辺境」性にこそ問題があるということである。

まずは、捕鯨が日本の伝統であるというのは、一部の地域での伝統ではあったとはいえるが、国民食とでも言える状態があったのは、太平洋戦争後の食料難の一時期であって、その後、捕鯨関係者(官民の)が唱えるような状況とはほど遠く、現在の鯨肉の消費量はごくわずかである。あえて、伝統捕鯨というならば、沿海の捕鯨こそが伝統であって、南氷洋での捕鯨は、作られた新しい伝統である。おそらくは、文化の問題ではなく、政治や経済の問題であろう。
また、シーシェパードの反捕鯨運動は、まさに、かれらの考える「正義」から来るものであって、文化や伝統の議論を超えている。それをあえて、日本の伝統であるとして対抗するのは、文脈がずれて、論争にならない。そうした論点の相違を理解できないことが「辺境」の「辺境」たるゆえんであるらしい。

ここで、大事なのは、対馬や太地などで残るいわゆる沿海の伝統捕鯨と近代捕鯨を切り離すことではないか。

ついでながら、内田樹さんの『日本辺境論』、ほうっておこうかとも思っていたのだが、やはり、入手するか。

2 comments:

ネコ said...

>いわゆる沿海の伝統捕鯨と近代捕鯨を切り離すことではないか。
おっしゃるとおりだと思います。

宣伝になって恐縮ですが、このたび沖縄辺野古への米軍基地移設と南極海での調査捕鯨について、日米両政府に中止を求める署名を始めました。
「いっせいのせ」でやめよう!! 辺野古移設と調査捕鯨!!
http://www.shomei.tv/project-1460.html
"Stop Henoko Relocation & Research Whaling"
http://www.thepetitionsite.com/1/protect-dugongs-and-whales
(拙HPの案内・賛同者一覧)
http://chikyu-to-umi.com/kkneko/dandw.htm
双方の市民から幅広い支持を得られるよう、沿岸捕鯨の是非については不問としております。
賛同人には、米国から作家兼文学者ロバート・シーゲル氏、日本からは著名な動物学者の女子栄養大学名誉教授・小原秀雄氏に手を挙げていただきました。
よろしければご協力をいただければ幸いです。

toripan said...

捕鯨が環境問題である、というのは完全な嘘です。

南極の鯨は持続利用可能な食料資源です。
それをまるで環境問題の如く喧伝して「畜肉は今まで通り食って良し」と仰るkkneko氏はクジラさんへの偏愛↓故にネット上に嘘を撒き散らしておられます。

『 ミンククジラのクレアは15歳、“豊饒の海”南氷洋で双子を育てるのに一生懸命なお母さん。~)
http://chikyu-to-umi.com/kkneko/nvl/novel.htm

kkneko氏が如何に疑似科学を振りかざし、自分が守りたいだけのクジラの為に大嘘を書いているかは↓で事細かに解説しております。

http://blogs.yahoo.co.jp/toripan1111/8888372.html ~から

http://blogs.yahoo.co.jp/toripan1111/8913473.html

までの10記事分でkkneko氏の戯言「鯨肉は環境負荷最悪の食品」を完全に粉砕しております。

私に一切反論出来なくなったkkneko氏は「名誉毀損でtoripanを訴える!!」と息巻いておられましたが、未だに訴状が届きません・・・どうなってるんでしょうか?w

http://blogs.yahoo.co.jp/toripan1111/archive/2010/3/10
ついでにkkneko氏の出鱈目の一例を御紹介しましょう♪

> FAO報告の指摘するように、畜産による環境問題の解決が遅々として進まない原因は、コストその他のオルタナティブ畜産の側の問題ではなく、「政治」です。
~政治の話ですから、日本の公海調査捕鯨をさっさとお開きにして市民運動のリソースをそちらに振り向けることこそが、畜産環境問題への取り組みを飛躍的に進める最も合理的な解決策のひとつであることはいうまでもありません。

ハイ、恐らく反捕鯨ちゃんの言い草の中でも最も醜い、アタマの悪い言い逃れがコレ↑ですね♪

FAO報告書が「環境への最大の脅威」と銘打ってまで警告してる、畜産の問題の解決が政治的な理由で遅々として進まないのであれば、何をさて置きその事を大々的にとりあげなければならないのは 『 ア タ リ マ エ の 事 』 ですよ?

ところが何故か貴方達反捕鯨さん達は、そこで貴方が言ってるように

・「日本の調査捕鯨を終わらせてからじゃないと畜産の問題が解決出来ない」
・「それからじゃないと畜産の問題ににリソースを回せない」

と仰います・・・w

南氷洋に数十万等は生息するクロミンクから、年に高々1000頭程度も捕獲しない調査捕鯨を、たった今すぐ解決しなければならない重篤な環境問題の如く大騒ぎして、本当に深刻な畜産の問題は隠そう隠そうとなさいます・・・w


「捕鯨問題を解決した後からじゃないと畜産の問題解決にリソースが回せない、だから解決出来ない」というのは喩えて言うなら

「一重瞼が気になって仕方ないから、肺癌の手術は後回しにしてまずは美容整形にお金を使う、だから肺癌の手術は出来ない」

とのたまうかの如き図抜けた「 寝 言 」ですね♪

http://blogs.yahoo.co.jp/toripan1111/8908412.html