先週末、科学研究費補助金の本年度割り当ての執行金額の通知が来た。したが、どうだ!今年度、災害の影響で減額最大30%がありうるのでそれを考慮の上で執行せよと。研究機関への振込は、当座は総額の70%であると。
?、どういうことだろうか。今年度予算が4月以降始まるが当然、予算の実質配分はズレこんで7月。しかし、内示はでており、通常であれば、みなし執行をはじめてよい。受給者たちの多くは震災後、減額の可能性を覚悟していたにもかかわらず、予定通りの執行が内示されて、安堵したと思われる。つまりは、文部科学行政の執行にあたり、合理的な判断がなされたとの理解があったと思われる。
そして、おそらく、多くのプロジェクトはそれに基づき、発注をはじめたはずである。しかし、いまになって、減額はないだろう。普段は、年度末の執行は望ましくないので計画的に執行するようにとの指示があり、少なくとも、満額執行を前提としていたはずだ。今回の決定は、執行を先延ばしさせ、かつ、年度内執行するにも、期間を短縮させるだけのことで、研究成果として十分な物になるのだろうか。結果としては、つじつま合わせの執行が増えはしないか。
プロジェクトは、計画的に、なされるべきであって、それは、計画書通り、それに基づいて、文科省(学振)は配分をきめたはず。それを、この段階で減額がありうるというのは、どうしたものか。年度内予算の執行の柔軟性は、古くからの課題であったはずで、昨今では、科学研究費補助金の年度を渡る執行がみとめられつつあるが、それでも、様々な条件が存在する。
震災にあって、政府予算の一律削減がありうるという認識は当然と思われるが、しかし、社会常識からいって、あらかじめ、支払金額が決まっているところで特別の条件があるから、減額して支払うというのは、通常の商習慣でもありえないだろう。たとえば、扇風機を購入する約束をし、支払金額が決定していたにもかかわらず、ことしは、涼しいから、70%しか支払わないと言っているに等しいと見える。
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