2012-05-04

管理されないウェブ?

私も『日経サイエンス』(2012年6月号)の「管理されないウェブ」という記事をみて、ISP依存の現在のネットワークのあり方に対して、危機感を覚える。

中国のGreat Firewallはよく知られたところであるし、また、この記事にも書かれているように、北アフリカの政変に寄与したと言われるSNSのモバイル通信も政府によって閉断されていた。日本でも、昨年の3.11のような大規模災害の際には有線無線のネットワークは使用出来なくなった。また、少数のIPSによって、ネットワークの大半が管理されている現状は、一般市民のためのネットワークと考えると危機的な状況にあるといえる。

インターネットは、そもそも分散型を企図して構築されたわけだが、現状は、国家単位でネットワークが収束していて、意図的な管理(閉断を含む)を可能にしている。こうした状況について、どのような対応ができるのか考えておく必要があるだろう。草の根ISPバンザイ!

独立法人情報通信機構による「情報通信の耐災害性強化に向けた分散型ディペンダブルワイヤレスネットワークの検討http://www.nict.go.jp/wireless/4otfsk000001g982-att/a1334304713915.pdf」には、災害時のネットワーク障害を無線メッシュネットワークによって回復しようという実験計画が述べられている。

“The Shadow Web” -- Baldanders.info

[追記]
製品としては、以下のものがあるとしても、しかし、どこかでISPに接続せざるをえないのだから、ISP自体も自律的に他国のネットワークに繋がっていなければならないはずだ。

株式会社シンクチューブ:電源をいれるだけで無線LANネットワークを網目状(メッシュ状)に自律的に構築するルーター製品:http://www.thinktube.com/



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