2022年末、ChatGPT公開版が登場したとき、私は「使える」と思った。しかし、どう応答すればその能力を引き出し、自分にとって便利な方法になるかに迷った。当時ネットに流れていたのは「作業手順書=プロンプトでAIに指示する」という方法だった【1】。
AIとの出会い(2022年末)
私が抱えていた課題は、定年退職を機に勤務先Webページに書いていたブログを回収し自分の手元に置くことなど、様々な書き散らした文書をどのように集約するかが課題だった。長年コンピュータに関わり、新しもの好きの性格もあって、様々なノートアプリやブログに大量のノートを保存していた。しかし、互換性のない古い形式も多く、完全復元は難しかった。たとば、PDFとして残っていたものからテキストを回収できたものもあった。
ブログ回収とObsidian導入
ほぼ同じ時期、Obsidianというアプリが文書の蓄積・再活用に便利だと知り、取り込みを開始していた【3】。ObsidianはMarkdownベースでノートをリンクし、知識をネットワーク化できるアプリで、ノート間の関係をグラフで視覚化し、柔軟な非線形構造で思考を整理できからである【4】。この作業を加速したのがAIだった。様々な形式で出力されていた文書を一定の形式にまとめ、切り分けるにはコーディングが必要だと理解したのだが、課題は残った。
PythonとChatGPTの役割
学生時代にメインフレームでFortran、パソコン時代にはいりBasicを使った経験はあったが、柔軟なテキスト処理にはこれらは不向きだった。調べると、モダンな言語のPythonが適していると知り、習得を決意した。くわえて、ChatGPTの登場で、プロンプトを使ってコードを生成し、質問や修正を繰り返すことで、目的(ブログ記事のバックアップから日付単位で切り出す)は一気に進むことになった【1】。
モノローグ法の発見
コーディング対話を重ねるうち、プロンプト一辺倒のやり方に飽き、簡単な疑問やニュースを質問するようになった。とくに、今年8月以降、ChatGPT-4/5やGemini、Claudeが進化し、検索も可能になり、面白くなった。たまたま、Qiita記事「AIと『対話しない』対話法、モノローグ法」(2025-09-26)を読んで、自分のやり方がモノローグ法だったと気づいた【2】。AIを「指示→回答の自販機」ではなく、思考の相棒として使うと、発想・構造化・検証・編集で力を発揮することがわかってきた。
Evidenceモードと根拠要求
AIが出す情報に根拠を求め、文献リストを添えるよう指示した。こうすることでハルシネーションを避けられると考えたからだ。ただし、AIは記憶喪失や文脈逸失を起こすことが多々ある。こうした特性をからかいながら、モノローグ法で対話を重ね、思考を鍛え、資料を収集することは、老後の知的生活として張り合いがあることにも気づかされた。
次の記事への接続
この経験を踏まえ、次に紹介するのが「四字熟語とラップでAIと現代社会を風刺する」という記事である。ChatGPTの能力を引き出し、思いつきを書き込み、大量の文章を吐き出させる「AI助手」を活用した試みである。ご笑覧あれ。
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文献リスト
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