2006-05-16

オープンソースと企業

CNETにFirefoxの開発に携わってきた現在Googleの開発チームに入るDarin Fisherへのインタビューが掲載されている。Darinは、Google入社前はIBMにつとめていたが、IBMでもまた移籍先のGoogleでも主要な業務はFirefoxであるという。両社ともDarinのFirefox開発への関与が自社の利益に結びつくと考えたからであろうが、従来の企業の発想であれば、自社に囲い込んでしまうことであっただろう。

インタビュー中で、Darinは、彼の移籍がGoogle独自のブラウザ開発に結びつくとのうわさが間違いであったと指摘しているように、むしろ、オープンソースのままにしておき、Googleとしては、インターネットコミュニティにおける知的財産として、そのままにしておくことのメリットが大きかったということだろう。

インタビューで明らかにできない事情があるかもしれないが、IBMからGoogleへの移籍が「自宅に近かったから」という風に答えていることも興味深い。彼のような開発者のロイアルティが企業に対してではなく、共有の知的財産への関与や家族であるということ、この辺りとても重要なことだと思うのだ(いや、そう思いたい)。


CNET:主要開発者が語るグーグルとFirefoxの深い関係:http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20111747,00.htm

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