目が見えず、耳が聞こえない東大教授の福島智さんを訪ねての爆笑問題。番組の初めに爆笑問題の二人がアイマスクとヘッドセットを付けて、目が見えず、耳が聞こえない状況を体験するところから始まる。その様子を福島さんは指点字で報告を受けながら、コメントをしている。
指点字というのは、すごい技術だ。福島さんとお母さんが開発したのだそうだが、指点字通訳者の方が、聞いた通りを福島さんの指をキーボードにて、タイプライタのように通訳していく。どの程度逐語的に通訳しているのかと思ったが、福島さんの応答を聞くと、そのまま通訳していると想像できる。もちろん、目が見えず、耳が聞こえない福島さんは、気配は感じることはできるかもしれないが、この指点字だけが頼りで、外の世界と結ばれている。
福島さんは、近代社会が障害者をつくりだしたという。つまり、近代社会は、大量生産を可能にする均質的な労働力を必要としたゆえに、目が見えない、耳が聞こえない、あるいは、四肢に障害がある、また、文字が読めない、理解が進まないなど、工場労働にとって必要な均質的な労働力を提供できない存在を障害者(視覚、聴覚、運動、知覚、学習そのた)とみなしたのだと。そうした状況をふまえて、今ここで、障害学が必要なのであるという。
爆笑問題との対話は、人間存在の本質にまで行き着く。何のために生まれてきたのかと。目が見えない、耳が聞こえない、しかし、わたしは、ここにいて、コミュニケーションが可能になり、対話をし、そして、わたしも生きていく人間のひとりとして、生き続け、そして、人間は何をなしうるのかと、世界に問いかける。
福島さん、すごい!
爆笑問題のニッポンの教養 | 過去放送記録 | アンコール@FILE074:「わたしは ここに いる」 | 福島智(ふくしまさとし) | 2010年2月16日放送分:http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20100216.html
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